023年4月27日 鎌田東二:図録『顕神の夢』と神話詩・論『悲嘆とケアの神話論ー須佐之男・大国主』(春秋社)ご案内 ▲目次3
みなさま
本日、抗がん剤治療の4クール目の点滴を受けて家に帰ると、図録集『顕神の夢―幻視の表現者】(全368頁、顕神の夢展実行委員会刊、2023年4月28日刊)が届いていました。
段ボールの中を開けてみると、ずっしりと5冊。
実によく出来ています。
ことばと作品の絵や写真が見開きでドーンと見えて。
すばらしい!
その中で、わたしが特にひかれた作品は、次の5作品でした。
1,三輪洸旗《スサノヲ顕現》(2008~22年)1961年生~
2,横尾龍彦《枯木龍吟 1》(1988年)1928年生~2015年没。
3,若林奮《1998.12.18》(1998年)1936年生~
4,中園孔二《無題》(2014年)1989年生~2015年没。
5,関根正二《姉弟》(1918年)1899年生~1919年没。
とくに、関根正二の花の中の「姉弟」は、わたしにはマリアと幼きイエスに見えました。
『顕神の夢』図録に見惚れていると、しばらくして、『悲嘆とケアの神話論―須佐之男・大国主』(春秋社、2023年5月3日刊)が届きました。
これはこれは、とても上品な装幀で、故横尾龍彦(画伯の絵「枯木龍吟」も素敵でした。
その横尾龍彦さんの「枯木龍吟」(133×83㎝)は「顕神の夢」展に出品されているので、現物を間近に見ることができます。
帯もまたお洒落で、本紙の色合いもデザインも品があります。
しかも、本文中272頁の中に、2枚のカラー口絵(ギュスターヴ・モロー「ゼウスの雷光にうたれるセメレー」12頁左,1984年、青木繁「大穴牟知命」204頁左,1905年)付きでとってもゴージャス。
それで2200円(税込み)は、安いです! ほんと。
でも、この本はわたしの入魂「遺言」の本です。
そして、わたしの出した本の中で一番きれいな仕上がりです。
この『悲嘆とケアの神話論』の出版を手掛けてくれたのは、京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻修士課程修了の柳澤友里恵さんと、去年春秋社を退職してさふじ出版総合研究所を作った佐藤清靖さんのお二人です。
佐藤さんは東京大学大学院人文社会科学研究科仏教学専攻修士課程修了した伝説の名編集者です。
ともあれ、本日は記念すべき日となりました。
すべてに、大感謝!
4月27日 鎌田東二拝
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